第56回近畿理学療法学術大会

近畿理学療法学術大会誌第46号

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大会長上西 啓裕
和歌山県立医科大学附属病院

我が国は、超高齢化社会のピークともいえる2025年に向けて、医療・介護提供体制を強化していく方向で調整が進められています。その一方で日本の総人口は2005年から減少に転じており、2025年以降はすべての都道府県の人口が減少し、2050年には9000万人を割ることが予測されています。こうした構造変化は医療や社会保障のあり方に大きな影響を及ぼし、我々を取り巻く社会環境はこの10数年間で大きな変容を遂げることは確実です。まさに近い将来、我々はその社会への適応性を組織として個人として試されるのです。迫りくる社会の大変革にどのように対応できるか。その術は社会的に認められた水準(国際水準)の理学療法エビデンスをいかに提示していくか。それ以外に方法はないのではないでしょうか。

近畿理学療法学術大会も56回目を迎えます。今回我々は理学療法を取り巻くあらゆる分野でその可能性や潜在性を探求すべく、企画に最も注力し多くの方々にご講演をお願いしました。皆様にとって、近い将来に繋げる理学療法の社会的根拠が一つでも多く積み上げられる機会にしていただければと考えています。

現在、NHK大河ドラマで取り上げられている「真田丸」は天正十年(1582年)「真田丸」という一艘の小舟が乱世という大海原に漕ぎ出し、後に「日本一の兵(ひのもといちのつわもの)」と呼ばれることになる戦国の武将真田幸村の生涯を描いています。戦乱の世に身をおき、その状況に適応すべく己の思慮と英知、感性を磨き、それを信じ突き進んでいったその生き様はどこか共感を覚えます。我が国の医療や社会保障の状況はまさに乱世と言えるでしょう。その幸村が1600年(慶長5年)、関ケ原の合戦後徳川家康から父昌幸とともに配流を命じられたのが和歌山県伊都郡九度山町です。今まさに和歌山は時の人に因んだゆかりの地、パワースポットでもあります。また「観光立国きのくに和歌山」は世界文化遺産である高野山や熊野古道をはじめ、会場周辺の和歌山城、さらに南紀白浜や那智勝浦、本宮の温泉など、海と山に囲まれた自然豊かなところです。是非この機会に和歌山にお越しいただき、豊かな海と山の恵みを満喫していただければ幸いです。

皆様のご参加を和歌山県士会々員一同、心よりお待ちしております。

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